
ここ最近、タイとカンボジアで軍事衝突が続いている。2025年7月24日には民間人を含む死者が出るほどの衝突になった。タイに住んだことがあり、またカンボジアにも研究者仲間がたくさんいる自分にしてみたら他人事ではなく、やるせない気持ちになる。武力ではなく言葉で平和を追い求めようとしてきた日本が仲裁に入れないものか。そういう骨太の政治家の登場を願うばかりです。
日本に住む人は、タイとカンボジアがどうしていきなり軍事衝突?と思われるかも知れませんが、実は両国の間には領土問題もあり、歴史的にはずっともめてきてました。今回の紛争で被害が出た地域でもあるタイのスリン県(ゾウさんで有名)は、カンボジアにしてみたら「あそこはうちの領土だ!」と思っているのです。下の写真は2006年8月に訪れたカンボジアの首都プノンペンにあるレストラン KUMER SURIN。KUMERは「カンボジアの」という意味の英語。カンボジアの大学に出張した時に連れて行ってもらったレストランです。スリンという地名を知っていた僕は迂闊にも「スリン!知ってます、ゾウさんで有名なタイの地名ですよね!」って言ったところ、苦笑いされながら「スリンはもともとカンボジアの領土だったんだけどね」と言われました。

そして時は流れ2007年10月に僕はタイとカンボジアの国境にある世界遺産プレアビヒア寺院を訪れました。その当時は、カオプラヴィハーン寺院とタイ側では呼んでいた世界遺産です。その国境は過去に紛争があったことを思わせる地雷が除去されたエリア、まだ地雷が残っているエリアを示す看板があったり。日本という島国で陸地で国境を跨ぐことがない場所に住んでいると、こういう感覚ってなかなか得られないので不思議な感覚をもったのを今でも思い出します。


さて、丘の上に立つプレアビヒア寺院は、時の流れを経て朽ちていても本当に美しく、過去を想像しつつ見るとその当時の栄華がイメージできるほど。また、国境に住む人たちはたくましくも優しく(僕のお金目当て?)、中学生ぐらいの男の子がカタコトの英語とカタコトのタイ語で僕をガイドしてくれたんですよね。子どもながらにして名ガイドでした。

あれから、18年。今は国際司法裁判所によりこの寺院はカンボジアに帰属すると判決が出て、だからこそ僕もプレアビヒア寺院と書いているわけですが、領土問題に関しては部外者があーだこーだ言えることはないので、平和裡にこの紛争が一刻も早く終わることを祈るばかりです。
ちなみに上の写真は、おそらくカンボジアのアングクロンという町。地図で示すとここになります。
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