本日、前回とは違う慶応の職員さんがAITを訪問してきた。海外からの研究者を受け入れるに当たり、受け入れ態勢をどのように整えればいいのかの調査視察。研究部門を支援する研究支援センターの森澤さん、小沢さん、戎井さん、総務課の鈴木さんの4名からなる調査団だ。AITは僕も含めて海外から来ている先生が多く国際色豊かだ。加えて学生の多くが海外からの留学生だ。そういう意味では海外の人の受け入れ調査ということに関してはぴかいちの環境と言える。まず、ビザや税関関連の支援、学生の受け入れ態勢に関するスタッフに集まってもらい熱く交流を図る。将来的には職員の交換をしたいですね、というような話にまで広がった。
[画像が見つかりませんでした: anila.jpg]
次に学生の生活支援をしているDr. Anilaの部屋を訪れ、海外から学生を受け入れるさいに考えなければならないことを聞いた。Dr. Anilaの話はすごい。彼女がAITで過去15年経験してきたこと、やってきたことを聞いてみると、まさにAITの母とも言える活躍ぶりだ。本当に学生達のことを心配して、時には叱咤し、時には励まし、学生と接している。学生を甘やかすことなく(もっともみんな二十歳以上の大人なんだが)、親身になって学生を支えているのだ。仕事が終わった夕方にはキャンパス内を散歩して、学生の表情をチェックして学生に何か異変がないかなぁと見回り、何か事件があれば深夜早朝であろうが呼び出されると現場に駆けつける。学生が助けを求めてきたら、どんなに忙しくても「今」対応するのだ。学生の悩みや苦しみは待ってくれない。まさにライブなんだ。また、AITのようにいろんな国から学生、教員が集まってくる環境では、国同士の争いや宗教上の争いがキャンパス内に持ち込まれることがある。インドとパキスタンの関係、中国と台湾の関係、いずれも非常に敏感な話題だ。しかし、彼女は政治も宗教も関係なく、公正中立に人間として正しいことをするという基準を持ち、それらの問題に立ち向かっていく。話を聞けば聞くほど、その毅然とした姿が想像でき、それらのエピソードを聞けば聞くほど彼女のすばらしさが増すのだ。
最後に彼女の話しはどれも印象に残っているんだが、その中でも印象に残った話しを一つ。「入学パーティでは、みんな出身国同士で固まっているのに、卒業パーティでは一つのテーブルにいろんな国籍の人が混じって座っている。これがこの仕事をやってる意味なんだって思う。」僕はこの部分に一番感動した。これが本当の国際化なんだと思う。自分の国を捨てる必要もない、相手の国、自分の国をおとしめる必要もない。ただ、相手を尊重し、相手の国を尊重する心をもつことこそが大切なんだと思う。その結果、卒業時にはいろんな国の人たちの間で友情が生まれ、卒業後もその関係が続く。その人達が国の中枢を担うようになったときに、国同士のいざかいが無くなるんじゃないかな。今からそういう時代が来るのが楽しみだ。彼女の熱い話を聞きながら、そんなことを感じたのでした。そして、自分の過去の言動を深く反省したのでした。
さて、森澤さんと後で話をしたんですが、Dr.Anilaもかなりご高齢、引退も近いんじゃないか。彼女がいなくなった後のAITが心配だなぁ。今のAITがあるのは、間違いなく彼女の力によるところが大きい。

コメントを残す